Sabishii-Room.

ここに答えはありません。

このドラマの主人公は僕だということに気付いた話。

 「お前のTumblr見てたけど、夜中によくわからん文章を連投してたな。不安定な時期か」そう聞かれた僕はイヤホンを耳に突っ込み、きのこの山の箱に手を伸ばした。「今日も外に出なかったんだって?なんかずっと部屋にいるのって不健康な感じしない?」「でも外は暑いから。なによりお金がないし、友達もいないのに、外に出る意味ってある?」そう問いかけられ、僕は黙ってしまった。

 独り言を言うようになったのは、一人暮らしを始めた大学生の時からだ。寂しいからという理由もあったけど、あるとき「あれ、このドラマの主人公って僕じゃん」ということに気が付いたのが大きかったように思う。ドラマとは、もちろん人生のことなのだけど。独り言は楽しい。心の葛藤をわざわざ口に出してみたり、ノリツッコミをしてみたり。独り言を言うだけで、僕はこのドラマの主人公なのだという事実に気付かされる。小学生の時、出山さんという女の子がよく独り言を言っていた。昔は「キャラ作り頑張ってるなぁ」なんて思っていたけれど、出山さんは出山さんで、小学生にしてその事実に気がついていたのかもしれない。テンションが高く、表情豊かで妄想好きで、まるで東村アキコ先生のマンガに出てるような女の子だった。

 テレビドラマが好きで、よく観る。好き嫌いせず、色んなジャンルのドラマを観るけれど、僕がしっくりくるのは「モテキ」とか「まほろ駅前番外地」みたいなドラマ。「モテキ」なんか特にそうなのだけど、劇中、様々な場面でピッタリの音楽が流れる感じ、あれはそのまんま自分の日常に似ていて、本当に好きな演出だ。近所のマツモトキヨシへ買い物に行くときも、ケンカした女の子と帰り道に仲直りしたときも、僕の頭の中には音楽が流れている。人生を、思い出を、よりドラマチックに演出してくれるのは音楽だと思う。

 たまに、音楽を全く聴かないという人に会うことがある。それを聞いて、「探してみたら、自分の人生をドラマチックにしてくれる音楽が見つかるのになあ」と思ったりするが、もちろんそれは口に出さない。考えてみたらわかることなのだけど、知っている曲が多ければ多いほど、特定の思い出に対して専用の音楽をパッケージングできる。思い出が音楽とシンクロして、ドラマになったことに気付いた時、音楽の面白さに気付くのかもしれない。僕はそうだったから。

    「音楽を聴いて恋をして、明日が待ちきれないような、そんな気持ちで生きていく」っていうのを理想のドラマに掲げ、毎日、主演の僕と監督の僕と演出家の僕などのオール僕で頑張っているけど、なかなか理想には近づかない。他の人のドラマとの兼ね合いもあるからね。だけど、上手くいかないから面白い。理想のドラマが出来上がるのは、シーズン3かな?明日かな?

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