Sabishii-Room.

ここに答えはありません。

隣の中学校から体育祭の入場行進曲が流れてくる話。

僕の住むマンションの隣は中学校だ。部屋のベランダからは中学校のグラウンドが一望できるので、土日は野球部の練習試合をボーッと見て過ごす日もある。野球のルールはイマイチわかっていないけど。

 今朝は体育祭の入場行進曲で目を覚ました。昨晩開けっ放しにした窓からは、夏の朝特有の優しい香りと、体育祭の練習をする中学生たちの大きな声が流れてくる。もうそんな時期かと思いながらベランダへ出て、体育祭の練習風景を眺めた 。足の上げ方、手の振りが足りない、などと先生たちからダメ出しをされ、何度も行進をさせられる中学生たち。 ははは、何回やらせるんだよとツッコミを入れながら、少しだけ自分の中学生時代を思い出したりした。

中学生の頃、自分の席で黙々と、誰に読まれるわけでもない漫画を描いていた。それまで「上手いね」「面白いね」と言ってくれる人が集まることが嬉しくて描いていた漫画は、中学ではただの自己満足になっていた。体育祭や部活に、必死で取り組むみんなと同じ温度でついていけなくて、寂しかった。

 僕と同じような毎日を送っている中学生がこの中にもいるのかな、なんてことを考えたりして、少しだけ胸が苦しくなった。あの頃に戻りたいとは思わないけど、戻りたいと思っても戻れないのが現状だ。 今年は、ベランダから体育祭を見ようと思う。